2015年12月12日03:38:40/カテゴリー:Private
「信頼を築くは一生、壊すは一瞬」
高校時代にコーチから言われた言葉。
その行動、その言動、そのミスが全てを台無しにしてしまう。
改めて、こだわりを持って物事に取り組まねば。
「100-1=0」
頭の体操のような不思議な数式だが、クイズではない。
ある名料理人の心構えと聞く。なぜ、そういう計算になるのか。
一つでも欠陥、マイナスがあれば、それはゼロ、台無しになる。
「一つのミスも許されない」、決意の「数式」である。
その名料理人とは帝国ホテル総料理長の田中健一郎さん(65)。
厚生労働省が各分野の技能者を表彰する二〇一五年度の「現代の名工」の一人に八日、選ばれた。
料理とは手を抜かぬ心によってこしらえるもの。
その考えにたどりついたきっかけは前総料理長の村上信夫さんの言葉だったそうだ
「今までに一番おいしいと思った料理は何ですか」と聞かれた。
答えあぐねる田中さんに村上さんは「おかあさんの料理です」と教えた。
いい材料、道具がなくても母親の料理には「おいしいものを食べさせたいという気持ちがたくさん詰まっている、だから一番おいしい」。
今の時代でいえば、苦心しながら腕をふるう父親の料理だって同じだろう。
ただ、おいしい物を食べさせたいという曇りなき100の心<100-40=60>。
それだってまずまずではないかと、甘い数式につい頼りたくなるのが人情だろう。
田中さんをはじめ、この日選ばれた「現代の名工」たちはいずれも
息苦しくも過酷な<100-1=0>に耐える才能に恵まれた、決意の方々に他ならぬ。
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